「結婚している女性のうち、正社員として働いている女性ほど子供を産んでいる」。こんな調査結果が厚生労働省から発表された。
「結婚している女性のうち、正社員として働いている女性ほど子供を産んでいる」。こんな調査結果が厚生労働省から発表された。
2002年10月末時点で20~34歳だった男女を対象に、毎年同じ回答者を追跡調査している「21世紀成年者縦断調査」の第4回調査(約1万9000人の回答を集計)で明らかになった。それによると、妻の仕事別に子どもが生まれた割合は、正社員が33.1%で、非正社員の16.3%を大きく上回ったほか、専業主婦(30.9%)よりも高かった。
厚労省は「正社員であれば育児休暇などを活用できるし、世帯の収入も安定することなどが影響しているのではないか」とみている。
日本では少子化が大きな問題となっており、その要因として晩婚化や女性の高学歴化、女性の社会進出などが一部で指摘されてきた。しかし、正規雇用されている既婚女性ほど子どもを産んでいるとなると、女性の社会進出は少子化の要因ではなく、むしろ女性の正規雇用を増やすことこそが少子化を抑制するということになる。
出産を機に大手メディアの契約記者を辞めた女性(32)は「最近は託児施設などを整備している企業や、育児で休業中にキャリアロスがないよう配慮する企業もでてきた。正社員であるほど、しかも働く女性に配慮する企業の正社員であるほど、子どもを生みやすくなるのは当然のことだと思う」という。
日本では働く女性の6割が出産前後に退職しており、育児の面で復職は難しくなる。このため、30代女性の労働力率(働いたり、求職している人の割合)が約6割と、前後の世代に比べて低い。ただ、近年は人手不足を背景に、金融機関などで20~30代の主婦層を正規社員として中途採用する動きが出ているほか、育児などで退職した女性を再雇用する企業も現れ始めた。こうした動きが大企業だけでなく、中小企業にも広がれば、少子化に対し一定の抑止効果が表れはじめるかもしれない。
いまやパートやアルバイト、契約・派遣社員などの非正規雇用者は1700万人に達し、雇用者の3人に1人を占めるに至った。日本を1つの会社にたとえるとしたら、この非正規雇用者をいかに正規雇用として採用していくかが、将来の国力を培うことになる。ただ、近年は産業界も業績好転に伴う人手不足を背景に即戦力となる20~30代の主婦層に着目し、金融機関や製造業では子育て中の専業主婦を正社員として中途採用する動きを強めている。