潮流は変わった――東京の経済状況におけるバイリンガル採用の現状

スペシャライズドグループ株式会社代表取締役 サム・ブリス

2009年については、もはや議論することはありませんし、これ以上掘り下げる必要もありません。ただ、ランチタイムに半分しか席が埋まっていないレストランを見るにつけ、経済がここからとるべき道は「回復」しかないということは明らかです。しかし、誰しもが事態はもっと複雑であることを知っています。すべてのマーケットが2007年初頭の黄金時代のように回復する為には、2010年は高度な技術をもって慎重に対処する必要があるのです。

目はしの利くマネージャーは、危機的状態から立ち上がり、自らのキャリアアップやワークライフバランスについてもう一度信じ始めている人々をすでに雇い入れています。求人企業は同じ人をめぐって雇用合戦を繰り広げており、候補者は新天地で新しい希望を見いだせると十分な自信をもっています。2009年は大量の人材紹介企業が淘汰されたのです。

バイリンガルにとって日本のマーケットは昔から小規模でした。海外留学した日本人の数は、過去20年で連続して減少しており、香港やシンガポールをはじめとする国際的な経済環境と比べてみると、日本において英語を話す人の割合は悲惨な状態といえます。

再び雇用に目を向けている企業が求めるスキルは、候補者の供給を超え始めています。いまや、採用をめぐる光景はめざましく変化しているのです。

パートナーを選ぶということ

日本のリクルート業界の歴史は、まだそんなに深くはありません。創立して10年以上という人材紹介企業は5社に1社以下であり、厚生労働省による公式の数字では、2008年で創立5年以下の企業は60%、従業員が5人以下の企業は75%だそうです。2009年には、この数字が劇的に変わったことは間違いないでしょう。

ほとんどの求人企業では、人材紹介企業の信頼出来るコンサルタントに依頼するのが一般的です。採用をサポートするコンサルタントはスペシャリストであることが多く、独力で人材を探すにあたり、自らのネットワークに相当な自信をもっています。典型的な求人企業は、セールス、マーケティング、購買、経理、IT、人事といった雇用スキルのニーズを満たすために、このような個人のつながりを多く必要としています。しかし、採用の手順をもっと簡単にして、安定した実力のある人材紹介企業と連携しようとするなら、話は別です。

求人企業は、昨年の苦境を乗り越えた人材紹介企業を探すべきでしょう。このような企業は、市場で実質感のある業績とコネクションを今後も築いていき、景気が低迷する中にあっても、優良企業は存在感を失わず、最良の候補者を提供するものです。このような企業は倫理にコミットした行動や価値に沿って人材をあっせんし、自らのスタッフを教育しています。

提供するサービスと同様に、企業の在り方も、パートナー選びには欠かせない要素なのです。

人材サーチの方法

雇用のニーズは多岐にわたっており、企業にとってその任務がどのくらい必要性が高いのか、そのポジションを空白のままにすることでどのような影響がでるのか、企業のニーズを満たす人材が調達可能かなどの状況によって決まるといえるでしょう。

優良な人材紹介企業は、リテインド・サーチから臨時派遣まで、さまざまなソリューションを提供しています。

リテインド・サーチは、合意した時間枠で、最高の候補者を補充する必要がある上級スタッフや専門性の高いポジションに理想的なサーチ法でしょう。このサーチを通して、求人企業はプロセスに深く関わり、マーケットに関する貴重な知識を得ることができます。

広告活用リテインド・サーチは、幅広いスキルと共に、営業マン、経理など複数のポジションを埋めたい求人企業に最良のサーチ法です。実際において、人事サポートがほとんどないが急成長する企業には、最も望ましいソリューションです。

成功報酬型(コンティンジェンシー型)サーチは、有資格の候補者を幅広く提供するため、中堅職の人材探しにあったサーチ法です。求人企業は成功報酬のみ支払います。しかし、このスタイルのサーチでは、人材確保の保証はなく、求人企業側のコーディネート力が大いに問われます。

臨時派遣は、プロジェクトごとや、労働人員を増やして効果的にアウトソーシングを行う際も追加のスタッフに対して法的責任が課されることなく、短期間のスキル提供で社員をサポートします。ほとんどの人材コンサルタントは、このようなサービスをお客様に提供しています。

どのようなケースでも、選ばれた人材紹介企業は、求人企業のニーズにあった候補者をどこでどのように探すのかを分かりやすく明示し、納得していただくことが大切です。

月刊誌『EURObiZ』2010年1月号の掲載記事より